この頃韓国映画が多い。しかも変な日本語をしゃべる韓国人がよく出てくる。「スティールレイン」もそうだった。要するに日本が絡まる映画を韓国が作っているということだ。これからの2作品もそうである。まあストーリーは別として、アクションシーンの凄絶さは、韓国映画独特のえぐさがあって、それが魅力でもあるのだろうが、だんだん辟易してくるのも事実。まあ見なけりゃいいのだが、日本映画がほとんど漫画映画からの翻案で見る気がせず、アクション映画も韓国映画と比べるとまるでお嬢様芸だから救いようがない。まあ耐えられるのは「孤狼の血」くらいだが、「2」になると血は流れるがお嬢さま芸になる。
本題の「夜叉」、これは謀略物と云って良いだろう。本線としては韓国情報院、北朝鮮保安部、そして日本の情報機関、これに中国が添え物として噛む。しかし瀋陽が舞台なのに、中国が添え物と云うのも愉快だ。
主人公はチ・ガンイン(ソル・ギョング)という韓国情報院のはぐれもの。瀋陽の責任者で、北朝鮮の保安部の大物からある情報を入手しようとしている。一方それを阻止しようとしているのが日本の諜報員(池内博之)、それに北朝鮮保安部の精鋭が絡むので、三つ巴の凄絶な戦いが繰り広げられる。
しかし、この映画には妙な横線があって、それはハン・ジフン(パク・ヘス)という正義感の塊みたいな検事が登場すること。彼は財界の虎の尾を踏んで左遷されてる。彼の新任務はなんと杜撰な瀋陽の情報院の特別監査だった。つまり三つ巴にこの正義感が加わるから、話はややこしいが、しかし骨の話は聞いてしまえば単純で、アクションを大いに楽しめばよい。儒教の国のせいか、エロ度が少ないのが日本映画と違うところ。二人のスターの共演で面白く仕上がっている。
こちらは「夜叉」以上にエグイ。それは狂気の殺し屋が登場する(イ・ジョンジェ)からだろう。それに臓器移植目的の少女誘拐が絡むので話は陰惨になる。
主人公はインナム(ファン・ジョンミン)、元情報員だが組織が解散になり、日本にわたり殺し屋となった。彼にはヨンジェという恋人がいたが、彼女はインナムと別れて今はバンコクに娘と二人暮らし。インナムはそれは知らない。
インナムはこの世界から足を洗いたくて、最後の仕事として日本の在日やくざの是枝と云う男の殺害を引き受ける。それは成功するが、是枝には狂気の殺し屋の弟レイ(イ・ジョンジェ)がいて、兄殺しのインナムを追跡そして、関係者を次々に手をかける。
一方ヨンジェは娘が臓器移植組織に誘拐されてしまう。ヨンジェはインナムに助けを求める。インナムは東京からバンコクへ移りまだ見ぬ娘を探す。まあこういう話だが、その間のアクション、殺人はそうとうな激しさである。これは少しへ辟易してくるし、結末もしんどいので見終わった後は疲れる。バンコクのゲイが一息をつかせる役になっている。〆
こちらはアメリカ映画。リーアム・ニーソン主演のノンストップアクション。
カナダにあるダイアモンド鉱山でガス爆発し26人が坑道に閉じ込められてしまう。酸素は30時間しかもたない。政府は坑道を開口する装置とパイプ約30トンを運ぶ計画を立てる。しかしこの重さの資材をヘリでは運べないし、輸送機では着陸できる飛行場がない。そこで大型のトレーラーを雇いそれにゆだねることにした。
最短距離は凍結しているウイニペグ湖に開かれているアイスロード(凍結した湖の上に作られた道)を通ってゆくルートだが、すでに4月でありアイスロードは溶けかけていて、封鎖されている。しかしそれをおして資材を運ぶドライバーを緊急公募する。ニーソンがその一人で、弟と組んで乗り込む。危険分散のために、3台の装置を運ぶことにして、トラックも3台用意、出発する。
しかしその途中には数知れないトラップが横たわっていた。これでもかこれでもかと云うトラブルはまるでゲームみたいだが、いささかしつこくて飽きが来る。ニーソンも顔に艶がなく、年を感じた。
ただし、さすがにアメリカ映画、ハッピーエンドに終わって、すっきり。
〆